所有している貸倉庫を売却したいときの査定法とは?収益還元法をご紹介!
2022.06.11
不動産の査定にはさまざまな手法がありますが、貸倉庫のような事業用不動産の場合は、収益還元法が用いられます。
収益還元法とは、将来的に期待される収益に基づいて不動産の価格を決める手法です。
今回は所有している貸倉庫の売買をお考えの方に向けて、事業用不動産の査定に用いられる収益還元法とはなにかと、積算法や取引事例比較法との違いをお伝えします。
貸倉庫の査定に用いられる収益還元法の算出方法とは?
収益還元法とは、不動産の価格を決めるポピュラーな方法で、将来の収益をベースとして計算します。
そのため、貸倉庫や貸アパートなど、家賃収入によって収益を出す事業用不動産の評価に用いられることが多いです。
さらに、収益還元法は直接還元法とDCF法の2つに分類されます。
直接還元法とは、家賃収入から必要経費を引いた年間の純利益を還元利回りで割って算出する簡易的な方法です。
還元利回りは、周辺の類似物件の成約事例から設定します。
なお、周辺の類似物件の成約事例は、国土交通省の「土地総合情報システム」というホームページから確認できます。
次にDCF(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)法とは、1年間という区切りで計算する直接還元法とは異なり、もう少し長期的な視点で査定する方法です。
家賃の値下げや空室期間が存在するリスク、必要経費なども加味される複雑な計算方法で、より精度の高い査定価格が得られます。
貸倉庫の査定に用いられる収益還元法とは?積算法と取引事例比較法との違い
査定には、ご紹介した収益還元法以外にも、積算法と取引事例比較法という手法もあります。
これらの方法は、収益還元法とはどのような違いがあるのでしょうか。
まずもっとも違うポイントは、将来の収益が加味されるかどうかです。
積算法は居住用不動産の評価などに使用され、土地と建物を別々に分けて計算する点も異なります。
土地は国税庁の相続税評価額路線価や市区町村の固定資産税路線価、国土交通省の公示価格、都道府県の基準地価といった公的な価格を参照して計算します。
建物の価格は、もしその建物を改めて再建築する場合にかかるコストに、耐用年数を考慮して計算します。
次に、取引事例比較法は、中古住宅の評価に利用され、周辺の取引事例をベースに計算されます。
計算方法からもわかるとおり、これらの2つの方法は「物件がどのくらいで売れそうなのか」が焦点になっているのに対し、収益還元法は「物件がどのくらいの収益を出すのか」に着目しているという違いがあります。
そのため、査定結果にはバラつきが生じる可能性も高いでしょう。
まとめ
所有している貸倉庫を売る場合は、貸倉庫を貸し出した場合の今後の家賃収入に注目して、査定がおこなわれます。
売却をご検討中の方は、収益還元法の計算方法を理解することから始めてみましょう。
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