売却予定の工場にアスベストが使用されていたらどうする？必要な処理とは？

アスベストとは、石綿とも呼ばれ、人体に悪い影響を及ぼす物質です。

現在は規制されていますが、古い工場であれば使用されていることも珍しくありません。

今回は工場売却をお考えの方に向けて、売却予定の工場に、アスベストが使用されていた場合にどうするべきかについてご紹介します。

アスベストとは？売却予定の工場でアスベストが使用されていたら？

売却する工場にアスベストが使用されていると、なぜ問題になるのでしょう。

そもそもアスベストとは、石綿と呼ばれる繊維状の天然の鉱石で、1960年代から建築資材として多用されてきました。

さらに、工場だけでなく、ビルや集合住宅、自動車の部品など生活のあらゆるものに使用されています。

安価でありながら、耐火性や断熱性、防音性などにも優れていたのが、長い間重宝されてきた理由です。

しかし、次第にアスベストの健康問題が顕在化し、現在は使用が規制されています。

アスベストは、とても細かいうえに丈夫で変化しにくいので、吸い込んでしまうと肺の中に残ってしまいます。

そして、長い間体内に潜伏することで、肺がんなどの重大な健康被害を引き起こすことがわかっています。

このような理由から、アスベストは段階的に使用が規制され、2006年以降は全面的に使用が禁止されています。

売却予定の工場でアスベストが使用されていたらどうする？除去方法とは

アスベストは現在使用が禁止されていますが、2006年以前に建築された工場であれば、使用されている可能性があります。

そのため、売却前にはアスベストが含まれているかどうかの調査をおこないましょう。

アスベストの含有は目視などでは判断できるものではないので、調査は「特定建築物石綿含有建材調査者」を有する専門家に依頼します。

調査の実施自体は義務ではありませんが、契約不適合責任を果たし、引き渡し後のトラブルを回避するために実施することをおすすめします。

アスベストが含まれていることが判明した場合、売却するときどうするのか、主な選択肢は「除去」「封じ込め」「囲い込み」の3つです。

3つのなかでは、除去がもっとも健康被害のリスクが下がる方法で、封じ込めや囲い込みの場合は、解体や改修の際に飛散のリスクがあります。

また、どの方法を選んでも、アスベストの対処に対しては国からの補助を受けることができます。

まとめ

今回は工場売却をお考えの方に向けて、売却予定の工場にアスベストが使用されていた場合にどうするべきかについてご紹介しました。

アスベストとは、重大な健康被害を引き起こす危険な物質のことで、売却の際はしっかり対処する必要があります。

とくに2006年以前に建築された工場は、売却前にアスベストの調査をすることをおすすめします。

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