工場排水の処理について!処理の対象や方法も解説
工場は生活やビジネスに欠かせないさまざまな製品を製造する一方で、製造過程において環境への負荷を与えることがあります。
環境意識が高まっている今、工場排水を適正に処理することも工場に課せられた重要な義務と言えるでしょう。
そこで今回は、工場排水の処理に関する説明にくわえて、工場の排水処理となる対象や排水処理の方法も解説します。
工場排水処理の目的
工場排水の処理の目的は、工場から出る汚染された水が環境に与える悪影響を低くすることにあります。
とくに工場の場合だと、人体に有害な物質を使うことが珍しくありません。
過去には日本で、工場排水がさまざまな公害病を引き起こし重大な社会問題になったこともありました。
工場の排水は環境に対する影響が大きく、少しの汚染水を流すだけでも水質を回復させるのに相当な量の水が必要になることがあります。
河川の水質を保護し、近隣に住む住民の健康に被害が出ないよう、しっかり工場排水を処理することが大切です。
工場排水処理の対象になる物質
工場排水処理の対象になる物質は、大きく分類すると無機物と有機物があります。
無機物のおもな汚濁物質で挙げられるものは、ヒ素・水銀・リンなどの重金属です。
有名な公害病である、水俣病の原因物質は水銀でした。
水銀を含んだ水がそのまま流れてしまうと、人体に重大な健康被害をもたらすおそれがあります。
有機物の代表的な汚濁物質は、生ゴミ・工業用油・汚泥などです。
さらに、有機溶剤やダイオキシンなども排水処理が必要な有機物に含まれます。
有機物がそのまま自然界に放出されてしまうと人体への悪影響や、赤潮などの被害をもたらすことがあるため、無機物同様適正に処理しなければいけません。
工場排水の処理方法
工場で出た排水の処理をおこなう方法は、大別すると分離・分解の2つがあります。
分離は、主に無機物を含んだ排水を処理する際に活用されます。
代表的な方法は、汚染された物質に反応する化学薬品を使用して化合物にし、比重を変えることで、容器の底に沈んだ化合物を水と分離するものです。
汚染された物質の粒子が大きいと、物理的にフィルターを使用して分離する方法があります。
分解は、有機物を含んだ排水を微生物によって水・二酸化炭素に分解していく方法です。
実際に工場で排水を処理する場合、まず排水に含まれる物質がなにか特定しその物質に合った方法を探る必要があります。
さまざまな汚染物質が含まれているなら分離・分解の両方が必要になるため、複数の方法を組み合わせて排水処理をおこなわなければいけません。
まとめ
工場排水の処理は、排水が環境に及ぼす影響を少なくするために欠かせません。
また、重金属などの無機物や工業油などの有機物、どちらに対しても適正な処理が必要です。
工場排水を処理する方法として分離・分解があり、実際にはこれらの方法が複数組み合わされて実施されています。
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