工場の購入・賃貸で知っておきたい保税工場とは?どんなメリットがある?
2022.07.15
海外市場への進出を目指す企業におすすめなのが、保税地域に設置されている保税工場です。
保税工場とは、加工貿易のために設けられ、税金が免除される工場のことです。
今回は工場や倉庫の賃貸、あるいは購入をご検討中の方に向けて、保税工場とはなにか、役割やメリットをご紹介します。
工場の購入で知っておきたい保税工場とは?その役割は?
保税工場とは貿易用語のひとつで、その役割は貿易の振興です。
海外から物品を輸入する貿易では、一般的に関税という税金がかかります。
関税とは、海外から安価で輸入される農作物や工業製品などの外国貨物にかけられる税金で、国内産業の保護が目的です。
貨物が海外から到着する空港や港の周辺には、関税や消費税が一旦保留される保税地域という特別なエリアが存在します。
保税地域に設置される保税工場では、海外から輸入された製品を加工し、そのまま輸出することが可能です。
海外から輸入した材料を加工して、加工品を海外へ輸出する場合に、税金によって価格が釣り上げられることがないため、競争力を保ったまま海外進出が可能です。
国内産業を守る役割を担っている関税と同様で、加工貿易の振興のために税関長が特別に許可しています。
加工や製造で関税がかからない期限は原則として3か月ですが、承認を受ければ2年まで延長可能です。
また、2年でも完了しない特別な理由があり、税関長が認めた場合は、さらに延長することもできます。
関税がかからないという性質があるため、保税工場で使用される材料の輸入は「移入れ」、加工された物品の輸出は「積戻し」と呼ばれます。
保税工場で扱われる製品は、魚介類の缶詰や菓子などの食品、工業製品、繊維、農薬など幅広いです。
工場の購入で知っておきたい保税工場とは?どんなメリットがある?
保税工場には、海外から輸入した貨物に対して、課税を一旦保留して加工ができるというメリットがあります。
期間内に原材料を加工して商品を海外に送り出せば、税金がかからないので価格競争力を保つことができます。
コスト削減と時間短縮によって、貿易へのハードルも下がり、企業の海外進出を促進できるでしょう。
原料を移入れしてから、積戻しをするまで2年間の猶予も認められているので、しっかりと生産計画を立てて製造することができます。
また、消費税もかからないので、消費税還付申請手続きも不要です。
まとめ
今回は工場や倉庫の賃貸、あるいは購入をご検討中の方に向けて、保税工場とはなにか、役割やメリットをご紹介しました。
保税工場を利用すれば、海外から輸入した貨物に対して、関税や消費税を一旦保留したまま加工ができるというメリットがあります。
海外進出を目指す企業におすすめですので、ぜひ検討してみてください。
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